現代日本における遠距離介護の現状

遠距離介護とは、遠方に住む人が、実家に住む家族の介護を通いで行うような介護形態を指します。
今の日本では、結婚した嫁が舅・姑の介護をする、子どもが必ず親を付きっ切りで介護する、といった固定観念を離れ、それぞれが自立した生活をする方向へと舵を切りつつあります。
遠距離介護は、そういった現状に即した介護手段だと言えるでしょう。しかし、遠距離介護にも相応のデメリットはありますし、当然限度もあります。

何よりも大きいのが、金銭的な負担です。帰省の頻度にもよりますが、交通費は当然かかりますし、介護できない分、被介護者が安心して生活できるように住環境を改修する場合も費用が発生します。また、在宅介護ほどではないかもしれませんが、介護によって自分の自由時間も減ります。むしろ付きっ切りではないからこそ不安がつきまとうこともあるでしょう。こういった事情が、結果的に精神的な負担につながり、肉体的な不調にもつながってしまうのです。
この場合、各種介護サービスを利用することが一つの解決手段になりますが、それも容易ではありません。当然、そういったサービスを利用するにもお金が必要なので、金銭的な負担は増加します。

そして、介護サービス業界は全体的に慢性的な人材不足となっており、そのため利用したいという希望とは裏腹に、サービス側が受け入れをしてくれないこともあるのです。このように、遠距離介護は現状では有効な選択肢に思えますが、それでも完璧な手段ではもちろんありません。家族の実情や負担を考慮し、早めにケアプランを作成しておくと良いでしょう。